僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


「明梨んママにお願いされたんだけど、
 僕なんて、たいしたことしてないんだよ。

 明梨んパパと、ママと、慶くんと、
 楽しくおしゃべりしてるだけだし」



 え? 
 聞いてないよ。そんなこと。



 いつからなの? 

 誰のお部屋で寝てるの?



 聞きたいけれど、絶対に聞けない。


 だって

 『明梨んと一緒だよ』なんて
 キュートな笑顔で言われたら、
 私、大泣きしちゃいそうだから。



「明梨んパパはね、
 トドメキの元総長さんなの。

 慶くんの悩みを聞いてあげて、
 優しいカウンセラーさんみたいなんだよ」




 明梨んも
 一緒にお喋りしてるんでしょ?


 そう口から出そうになって、
 慌てて口元を抑えたけれど。



 は~。



 心の痛みを吐き出したような
 冷たいため息は、
 指の間をすり抜けるように、漏れてしまう。