瞼に力をこめ。
 ぎゅっと目をつぶっていたのに……



「あ……マー君に睨まれた」



 ため息混じりの声を吐き出しながら、
 春輝くんは私の肩から
 手を離した。



 よ……よかったぁ。

 キス……されなくて……




 極度の緊張感から解放され、
 安堵のため息を吐き出した私。



 でも。
 ちょっとだけモヤモヤする。



 マトイ君が
 ステージから睨まなかったら……

 触れてたってことだよね?
 春輝くんの唇に……



 想像するだけで、
 一気に顔がボワッ!


 恥ずかしすぎて
 燃える。燃える。


 顔が
 真っ赤を通り越して、
 真っ黒な焦げ色になっちゃう!!