僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


「僕の方が、陰キャラでしょ?」



 真面目な顔で言い切る春輝くんに、
 私は反論をぶつける。



「そんなことないよ。
 春輝くんは、
 周りを笑顔にさせる陽キャラで。
 私とは正反対で」



「家に帰ったら、
 僕は全く笑わないって知ってるでしょ?

 悪魔払いのお札だらけの
 不気味な部屋で。
 僕を心配してくれるマー君も
 無視したりして。

 みゅうみゅうより、たち悪すぎだからね」


 それは聞いたけど……


 ステージの上でキラキラ飛び跳ねている
 春輝くんを見ると、
 思っちゃうんだもん。


 本当に、私なんかでいいのかな?
 春輝くんの隣にいる女の子が……って。



 私の心の不安に気づいたのか、
 春輝くんは
 穏やかな笑顔を私に向けた。