「僕の方が、陰キャラでしょ?」
真面目な顔で言い切る春輝くんに、
私は反論をぶつける。
「そんなことないよ。
春輝くんは、
周りを笑顔にさせる陽キャラで。
私とは正反対で」
「家に帰ったら、
僕は全く笑わないって知ってるでしょ?
悪魔払いのお札だらけの
不気味な部屋で。
僕を心配してくれるマー君も
無視したりして。
みゅうみゅうより、たち悪すぎだからね」
それは聞いたけど……
ステージの上でキラキラ飛び跳ねている
春輝くんを見ると、
思っちゃうんだもん。
本当に、私なんかでいいのかな?
春輝くんの隣にいる女の子が……って。
私の心の不安に気づいたのか、
春輝くんは
穏やかな笑顔を私に向けた。



