自動販売機横で
春輝くんに手を振り払われた時、
ヒーローショーなんて見ないで
帰るべきだったんだ。
そうしていれば、
春輝くんに
迷惑をかけずに済んだのに。
最低だ……
私……
涙がこみあげてきて。
泣きたくないって
必死に訴えたのに、ダメだった。
大粒の涙が、
ひっきりなしに
瞳からあふれ出してくる。
「みゅう……みゅう……
僕ね……」
大好きな声が紡ぐ言葉を
聞くのが怖くて、
私はあえて遮った。
「春輝くん。
最後に……1つだけ……
伝えてもいい?」
「え?」
「今まで私が見た……
ヒーローの中で……
春輝くんが……一番……
かっこ良かったよ……」



