私の瞳には、
目が覚めるように鮮やかな
レモン色のマントが映っている。
春輝くんは
私の手を離してくれたけれど
私に背中を向けたまま
振り向いてくれない。
春輝くんの背中に
拒絶されているようで、
心が泥沼に沈みそうになる。
何か…… 言わなきゃ……
「春輝くん……ご……ごめんね。
私なんかが……
人質役に選ばれちゃって」
必死に作った
私の陽気な声に反応して、
春輝くんは振り返った。
これでもかというほど目を見開いて、
ただただ、固まっている。
「どうせなら
もっとかわいい子を助けたかったよね?
ごめんね」
謝罪の言葉を吐き出す私。
同時に後悔が、
濁流のように
私の心に流れ込んできた。



