「私には……ムリだよ」
「なんで?」
「演技なんて、したことないし」
「大丈夫。難しくないから」
「アクションだって……できないよ……
運動神経……悪すぎだから……」
「それも大丈夫。
僕が教えてあげるから」
ダメだ……
断る理由を探しても、探しても。
春輝くんに言いくるめられちゃうよ。
「春輝くんだって忙しいでしょ?
私の夢のために
時間作ってもらうのも悪いよ」
「もしかして……
みゅうみゅうって……」
何?
いきなり暗い顔をして。
「僕のこと……嫌いなの?」
ひぃえ!!
き……嫌いとか……
そういうんじゃなくて……
「僕、みゅうみゅうと……
ヒーローショーやりたいんだけどな……」
う……
心臓が……心臓が苦しい……
真ん丸お目めを悲しそうに揺らして
肩を落とした春輝くんが
たまらなく可愛い!!
可愛すぎて……
心臓がもたないよぉ。



