「みゅうみゅう、来て」 私にしか聞こえないような 小さな声に、 ビクンと反応した、心臓。 大好きな声に、体中の温度が、 ジリジリと上がっていくのがわかる。 熱に浮かされたように 頭がふらふらしはじめ、 脳が働かなくなってた。 そんな私の手を、春輝くんは掴み、 人質を助けるように 引っ張っていく。 私はただ 足を動かすことしかできない。 春輝くんは私を、 お客さんから見えないステージ袖に 連れてきてくれた。