僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


 逃げ帰った場所は、ステージ袖。



 自己新記録、間違いなしの
 全力走りと、
 予想外のみゅうみゅうの告白のせいで、
 深呼吸をしても
 心の飛び跳ねは収まらない。



 自立できないほどの脱力状態で
 壁に寄りかかっていると、
 マネージャーがゆったりと歩いてきた。



「春輝、やっと戻ってきた」



「え?
 僕のために、
 ステージに立ってくれていたんじゃ……」



「あんたね、
 素人の限界くらい考えなさいよ。
 今は、マトイ達にバトンタッチしたから」



 ファンのキャーキャー声の先に
 視線を移す。


 ステージの上には
 マー君、みやちゃん、あやあやの
 3人が立っている。