逃げ帰った場所は、ステージ袖。
自己新記録、間違いなしの
全力走りと、
予想外のみゅうみゅうの告白のせいで、
深呼吸をしても
心の飛び跳ねは収まらない。
自立できないほどの脱力状態で
壁に寄りかかっていると、
マネージャーがゆったりと歩いてきた。
「春輝、やっと戻ってきた」
「え?
僕のために、
ステージに立ってくれていたんじゃ……」
「あんたね、
素人の限界くらい考えなさいよ。
今は、マトイ達にバトンタッチしたから」
ファンのキャーキャー声の先に
視線を移す。
ステージの上には
マー君、みやちゃん、あやあやの
3人が立っている。



