「みゅうみゅうは、
なんで、ヒーローになりたいの?」
「……カッコいいから」
「どんなところが?」
「誰かのために……
自分を犠牲にしちゃうところ」
だって
本気でなりたいんだもん。
自分を犠牲にしても
大事な人を守ってあげられる人に。
春輝くんは空を見上げて
何かを考えている。
頭がおかしい子だって思われたかな?
私なんかに関わるのはよそうって
思ったかな?
朝日で金色に光る
春輝くんの柔らかい髪が、
秋の風でサラサラと揺れている。
本当に……綺麗な顔……
これで
見納めなんだろうな……
そう思って
春輝くんに見とれてしまっていた時。
予想外の言葉が
春輝くんの口から飛び出した。



