嘘なんかじゃないよ。
「今から僕がステージに立てるか、
心配してくれてるんでしょ?
大丈夫だからね。
僕、笑顔でごまかすの得意だからね」
私に心配させないように、
思いっきり微笑んでいる春輝くん。
でも、本当のことなの。
信じて欲しいの。
お願い。
私の想い、全部届いて。
この温もりを手離したくなくて。
捕まえたままの春輝くんの右手を
さらに強く包み込む。
そして私は
視界が涙で潤んだまま、
春輝くんを見つめた。
「大好きです…… 春輝くんのこと……」
「え?」
「初めて言霊神社で会ったあの日から……
ずっと……」



