「どうしたの?
僕、みゅうみゅうのこと、
傷つけちゃった?」
違うよ……
「涙が出ちゃうほど、嫌だった?
僕の気持ち……」
嫌なんかじゃないよ……
春輝くんの心配そうな声に、
唇を噛みしめながら
首を横に振ることしかできない私。
「僕のことをふってなんて……
自分のことしか考えてなかったよね……
ごめんね……みゅうみゅう……」
だから、違うの。
春輝くんが謝ることなんて
一つもないの。
嗚咽混じりの涙が止まらなくて。
強く首を横に振って
私の想いを伝えてみたけど。
春輝くんの心には、全然届かない。
「僕……そろそろ行かなきゃ……
みゅうみゅう……バイバイ」
苦しそうな顔で
私に背を向けた春輝くん。
イヤ!!
これでバイバイなんて
絶対にイヤ!!
そう思った時には、
春輝くんの右手を
私は両手で掴んでいた。



