「お願い事を……
人に言うのは……」
「僕には……言えない?」
う……
そんな目で見ないでよぉ。
置き去りにされたウサギさんみたいな
ウルウルな目。
今すぐやめてよぉ。
綺麗な心の中を映し出だしているような
透明感のある瞳に、
嘘なんかつけないから。
そう心の中で願っても
春輝くんの澄んだ瞳は
私を見つめたままキラキラしている。
私は諦めたように
小さく口を開いた。
「私……なりたくて……」
「何に?」
「戦隊……ヒーロー……」
幼稚な夢を語ってしまった恥ずかしさで
顔から火が出そう。
彼の反応が怖くて
チラッとだけ
春輝くんに目を向けた。
ビー玉みたいな透き通った瞳が
キョトンと私を見つめている。
そうだよね……
私に呆れてるよね……



