「ジャンバー返すね。
 僕にかけてくれてありがとう」


「い……いえ」



 ジャンバーを
 私の肩にかけてくれただけか。


 あまりにも近いから
 抱きしめられるかと思って
 ドキドキしちゃったぁ。


 
「名前、聞いてもいい?」


「前園 美羽(みう)です」


「名前まで、ウサギちゃんっぽい」



 だから
 私のどこら辺がウサギっぽいの?



 肌が雪のように白くて。
 愛くるしい瞳が真ん丸で。

 私よりこの人の方が
 よっぽどウサギっぽいよ。
 間違いなく。



「みゅうみゅうって呼んでもいい?
 ウサギの鳴き声みたいで
 かわいいでしょ?」



 そんな可愛く
 呼んでくれるの?


 私にはもったいないくらい可愛くて。
 恥ずかしくて。
 でも、なんか嬉しくて。

 小さくコクリと頷いてみた。