◇◇

 5階建てのビル。


 本当に入って良いのか
 不安になりながらも、
 入り口を通り
 エレベーターで3階を目指した。



 エレベーターのドアが開いた瞬間、
 固まってしまった私。

 私の足は、エレベーターから降りようなんて
 一切していない。



 何…… この空間は……


 だって
 広いフロアを埋め尽くすように、
 女の子たちが集まっているから。



 ダサダサなのは私だけ。
 アウェイ感が半端ない。



 髪の毛一本から足の先まで
 気合十分の女の子たち。



 みんなが手にしている、うちわには

 『こっち見て』『王子スマイルして』
 『レイジ君降臨させて』などなど、
 メッセージ性の高い文字が、並んでいる。




 エレベーターのドアが
 閉まりかけたのに気づき

 反射的に
 エレベーターから降りてしまった。