僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


「あ、これ、美羽ちゃんに。
 忘れないうちに渡しておくわね」



 蓮見さんはそう言って
 見覚えのある紙を差し出してきた。



「これって……」



「恋のお守り戦隊アミュレンジャーショーの
 入場チケット。
 当日は、チケットがないと入れないから」



「その日は……」



「遊園地のヒーローショーを
 見に行くんでしょ?」



「……はい」



「でも、午前中に遊園地に行って、
 午後にアミュレットのショーを
 見に来ればいいじゃない?」



「そうですけど……」



「見てあげて欲しいの。美羽ちゃんに。
 春輝にとって、初めてのセンターだから」



 優しいお姉さんのような微笑みを
 私に向けると、

 青信号に気づき
 蓮見さんはアクセルを踏んだ。



 ハンドルを握る蓮見さんの
 横顔に向かって、
 私は、心の中にある疑問を吐き出す。