僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


「教えてください。
 私、誘拐されてます?」



「冗談やめてよ。
 笑いが止まんなくなるから」



「冗談じゃなくて……」



「春輝にお願いされたの」



「え?」



「美羽ちゃんを、
 ラジオ局に連れて来てって」



 春輝……くん?
 


 春輝くんの名前が出てくるなんて
 全く予想をしていなくて。

 ぽかん。 

 鯉みたいに口が開いたまま
 私は固まってしまった。



「あの子、言い出したら聞かないから」



 えっと……
 待って。待って。

 頭の中を整理するから。



 春輝くんが……え……と……

 ム、ムリ。ムリ。


 
 脳を整理しようとすればするほど、
 余計にぐちゃぐちゃに
 なってきちゃったから。