深いため息とともに
 窓の外に視線を送る。


 すると、いつもと違う
 異様な光景が瞳に写った。



 学校の門のところに
 人だかりができている。



 でも、私には関係ないね。

 そう思って
 カバンに目を移したのに……



 陸上部並みの猛スピードで
 廊下を駆けてきた男の子が、
 なぜか瞳をキラキラさせて
 私の前までやってきた。



「前園美羽って、君だよね?」



「あ……はい」



「俺の名前、
 伝えておいてくれない?」



 ひぃえ?

 誰にですか?


 あなたの言っている意味も
 あなたが誰なのかも
 知らないんですけど……



「君のこと呼びに来たの、俺だって。
 ちゃんと伝えておいてね」



「あの……
 誰に伝えればいいんですか?」



「あの、超絶美女に」