「美羽、お願いがあるんだけど」 「……なに?」 「遊園地のヒーローショーは 一緒に行ってほしい。 リリが、楽しみにしてるからさ」 「波多野くんが…… 私と一緒で…… 嫌じゃなければ……」 「は? 嫌なわけないじゃん」 波多野くんの熱のこもった全力否定に、 つい視線を上げてしまった私。 目と目が合い。 私は心臓がビクンと飛び跳ねた。 だって波多野くんが 穏やかに微笑みながら、 私を見つめていたから。