意味が分からなくて、
ぼんやりと波多野くんの手元に
視線を送る。
ひょ……
ひょ……
ひょえぇぇぇぇ!!
わ……わたし……
自分の手のひらで
波多野くんの手を、包み込んでるよ!!
しーちゃんと仲直りできたことに
浮かれすぎていて。
無意識に、波多野くんの手を
ぶんぶん振り回してたんだ。
「ご……ごめん……」
慌てて手を離したけれど
波多野くんの手の温もりが残っていて。
つま先から上へ上へと
恥ずかしさが込み上げてきた。
「やべっ。かわいい……」
へ?
「無防備に照れるとか、
マジでやめて欲しいんだけど……」
ひょえ?
波多野くんの口から出た
日本語の意味が、理解できないよ。
サクランボのように真っ赤に染まった頬を
大きな手のひらで隠す波多野くんが
目の前にいて、
私の顔まで火照ってしまう。



