「しーちゃん……ごめんね……」



「今更、謝られても遅いよ」



「本当に……
 ごめんなさい……」



「もう慶ちゃんは、私に会ってくれないの。
 電話もメールも、拒否られているの。

 私は、会いたくて会いたくて
 本当に苦しいんだから」



 嗚咽混じりの涙が
 止まらないしーちゃんに、
 私は『ごめんね』を
 繰り返すことしかできない。




 彼に暴力を振るわれていても
 彼が大好きで。
 しーちゃんは幸せそうだった。


 それなのに。


 私基準の正義感で
 慶介くんに文句を言いに行って、
 しーちゃんの幸せを奪ってしまったんだ。



「謝っても許してもらえないくらい、
 酷いことをしたってわかってる。
 しーちゃん、本当にごめんなさい」



「もう、謝らないで。
 美羽ちゃんを許す余裕……
 私にはないから……」