「波多野くん、ごめんなさい。
私……まだ好きでいたいみたい。
春輝くんのこと」
「もう、会わないんだろ?」
「……うん」
「ずっと、春輝って奴のことを
思い続けるつもりなのかよ?」
「わかんない。
春輝くんのことを思い出すだけで
苦しいから。
それでも
春輝くんが私の中から
自然にいなくなってくれるまで、
好きでいたいなって思うんだ」
「アイツの、どこがいいわけ?」
「私が戦隊ヒーローになりたいって言ったら、
一緒にヒーローショーやろうって
言ってくれたの。
私がレッドで、春輝くんがイエローで。
駄菓子屋のおばあちゃんが人質だって。
私の夢を叶えるって
アクションを教えてくれて。
すっごく嬉しかったんだ、私」
「アミュレットの春輝かぁ。
勝てる気が……しねぇな……」



