「美羽のその顔、当たりだろ?」
「なんで……?」
「遊園地のヒーローショーが終わった時さ、
アイツと見つめ合ってたじゃん。
明らかに、知り合いっぽかったから。
もしかしてって思ったけど……」
背中を丸めたまま
重いため息を吐き出す波多野くんに、
なんて言ったらいいか、わからない私。
「そいつと、付き合ってるわけ?」
「ま……まさか。
私なんかのことを、好きになってくれないよ。
もう、会うこともないと思うし」
「それなら、俺と……」
どうしても
自分の心に嘘なんかつけなくて。
波多野くんの声を遮るように
私は自分の心の声を吐き出した。



