僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


「美羽のその顔、当たりだろ?」



「なんで……?」



「遊園地のヒーローショーが終わった時さ、
 アイツと見つめ合ってたじゃん。

 明らかに、知り合いっぽかったから。
 もしかしてって思ったけど……」



 背中を丸めたまま
 重いため息を吐き出す波多野くんに、
 なんて言ったらいいか、わからない私。



「そいつと、付き合ってるわけ?」



「ま……まさか。
 私なんかのことを、好きになってくれないよ。
 もう、会うこともないと思うし」



「それなら、俺と……」



 どうしても
 自分の心に嘘なんかつけなくて。


 波多野くんの声を遮るように
 私は自分の心の声を吐き出した。