何かを思い出したかのように
心の中がザワザワ騒ぎ出した。
なぜか私の脳に
春輝くんの笑顔が、映し出されている。
『みゅうみゅう、頭ナデナデさせて』
そう言いながら
私の心を一瞬で
モンブランのように甘々に変えてしまう、
春輝くんのキラキラな笑顔が。
美羽、
春輝くんへの想いは、一方通行なんだよ。
想いが膨れ上がれば上がるほど
棘が心にブスブスと刺さっていって、
苦しいだけなんだよ。
それなら
波多野くんと付き合った方が
絶対にハッピーだよ。
わかってる。
そんな簡単なこと
頭ではわかっているけれど……
心の奥の奥がうずく。
うるさいくらいに、ザワザワわめく。
やっぱり春輝くんのことが
大好きでたまらないって。



