僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目


「美羽が鬼ごっこしてる時なんてさ、
 子供かよっていうくらい、
 真剣に鬼から逃げ回って。

 でも美羽、足遅いよな。
 いっつも、すぐ捕まってんじゃん」



 そんな恥ずかしいところまで
 見られてたの?



「小学校の時の50m走。
 学年一、遅かったし……」



「鬼ごっこの相手、小学生だろ?

 高校生が小学生に負けるとか
 信じられないんだけど」



「波多野くん
 今度子供たちと勝負してみてよ。
 みんな、すっごく足が速いんだから」



「負ける気がしねえし」



 フッと鼻で笑った波多野くんの
 穏やかな笑顔に見とれていたのに。


 急に凛とした瞳が、私に向けられ
 私の肩がぴょこんと飛び跳ねた。