情けないため息とともに
視線を床に落とした時
波多野くんの
穏やかな声が耳に届いた。
「美羽さ、放課後に
公園にいることあるだろ?」
週3くらいで
小学生の子供たちに勉強を教えたり
一緒に遊んだりしているけど。
「俺……たまに見ててさ……」
え? 見られてたの?
「覗き見?」
「バ……バカ。
そんなんじゃねえよ!
通りかかった時
チラッと……じゃないけど。
わざとゆっくり
公園を通り過ぎるっていうか……」
子供たちと一緒にいるのが
楽しすぎて。
波多野くんに見られてたなんて
今まで全く気づかなかった。



