「美羽……
俺との約束……覚えてる?」
「あ、うん。
リリちゃんと3人で
ヒーローショーを見に……」
「それじゃなくて……」
「え?」
「だから……二人の時は……
波多野って……呼ばないって……」
その約束かぁ……
忘れていたわけじゃないけれど。
いざ、二人っきりになってみると
恥ずかしすぎて
『たっくん』なんて呼べないよ。
「波多野くんじゃ……ダメ?」
「別に……いいけど……」
はぁ~。 良かったぁ。
「でも、これはお預けだからな」
波多野くんが手に持っている
キラキラしたもの。
私の瞳が
それを捉えたまま、離れてくれない。



