歩いて行くに連れ
すれ違う生徒が少なくなってきた。
波多野くんは誰もいない社会科教室に
入って行く。
恐る恐る、私も足を踏み入れる。
波多野くんは、ドアを閉めると
4人掛けのテーブルのにあった椅子を
引き出してくれた。
私と波多野くんが
向かい合わせで座っているこの状況。
何を話していいかわからなくて
波多野くんの顔色を伺う。
な……なぜ??
波多野くん、どうしちゃった??
なんか顔が、真っ赤だよ!!
伝染したように
私の顔まで熱を帯びてきて。
声なんて出ないまま
うつむいてしまう私。
その時
波多野くんの弱々しい声が
聞こえてきた。



