「波多野くん?」



「美羽はさ、食べないわけ?」



「え?」



「いつも隣のクラスの子と、
 一緒に弁当食べてたじゃん」



 そうだよね。

 波多野くんだけじゃなく
 クラスのみんなが思っているよね?

 なんでしーちゃんとお弁当を食べずに、
 一人でいるのかって。



 ふ~っと体中の空気を吐き出し
 心に溜まった辛さも
 一緒にこぼした。



「嫌われちゃった……から……
 しーちゃんに……」



「あんなに仲が良かったのに?」



「波多野くん、どう思う?
 しーちゃんは……もう私なんかと……
 話してくれないかな?」



 はっ!!

 なんでこんなこと
 波多野くんに話しちゃったんだろう。



 陰キャの私なんかが
 教室で波多野くんに話しかけるなんて。

 迷惑以外の
 なにものでもないのに。