「みゅうみゅうね、
 暴走族に文句言いに行ったんだよ」



 僕が今すぐ笑顔になれる話題を
 口にすると

 机にほう杖をついたまま
 マー君は呆れ声を出した。



「なんだそれ?」



「親友の彼氏さんに、
 『殴らないで』って言ったの。
 怒鳴られても、ひるまず言い返して。

 僕より、かっこ良すぎだよね。
 みゅうみゅうって」



「ただのバカだな!」



「マー君!!
 みゅうみゅうのこと、
 悪く言わないで!!」



「別に、事実を言っただけだろ?」



「みゅうみゅうはバカじゃないもん。
 可愛くて……かっこ良くて……」 



「俺は春のこと
 カッコいいと思ってるけどな」



 ん? 

 マー君、今、
 なんて言った?



「あの彼氏より、
 春の方がいい男だって思ってんだけど、俺」