僕は客席が見渡せる音響ルームから、
みゅうみゅうばっかり見ていた。
ベストカップル賞の
トロフィーをあげたいくらい、
二人はお似合いだった。
みゅうみゅうなんて
ヒーローショーの間中、
目をキラキラさせて
彼氏さんに笑いかけて。
女の子のパパとママですか?って
思っちゃうほど、
微笑ましい光景だった。
羨ましかった。
みゅうみゅうの隣に座って。
僕がみゅうみゅうを
独り占めしたいくらい、
羨ましくてたまらなかった。
思い出しただけで
胸が引きちぎられそうなくらい苦しくて。
この苦しみから逃げ出したくて。
心が救われる話題を、必死に探す。



