「僕ね……
 笑って帰るってくるの……
 ムリ……だった……」



「ま、いいけど」



「え?」



「俺と二人ん時に
 春に作り笑いなんてされたら。
 イラッとして
 お前の顔をぶん殴っちゃうからな」



「そんなこと言って。
 マー君は絶対に僕を殴んないよ」



「はぁ~?」



「何があっても。
 だってマー君、僕に甘々だから」



「俺の彼女面してんじゃねえよ」



「マー君が恋人なんて……
 僕からお断りだけどね」



「俺だって……」



「マー君が恋人だったら。
 僕、ダメダメ人間になっちゃうから」



「は?」



「だって僕のこと
 一生甘やかすでしょ?」



「いつ俺が
 春を甘やかしたんだよ」



 気づいてないの?
 毎日じゃん。



 目を吊り上げて。

 僕に言いたいことを
 ぶつけている振りをして。

 どす黒い僕の心の闇を
 追い払おうとしてくれるじゃん。



 それに……