☆春輝side☆


 ニコニコ。 ニコニコ。



 みゅうみゅうと別れ
 家までの帰り道。


 僕は笑っている。
 笑顔を顔面に張り付けている。


 必死に口角を上げて。

 泣き出しそうな瞳に
 自分の部屋まで我慢してって
 お願いして。



 家の玄関に飛び込み、
 誰にも会わないように
 3階まで駆け上がった。



 自分の部屋のドアを開けると、
 勉強机の前に座って
 分厚い本を睨みつけているマー君が
 いたけれど。



 無視するように
 2段ベッドの下の段に倒れ込み

 自分の枕に顔を押し当て

 やっと僕は
 堪えていた涙を解放した。