驚いたように
 目を見開いた春輝くん。

 私を見つめたまま、固まっている。



 しばらくして
 やっと春輝くんの表情が変わった。



 弱々しく光る瞳を地面に伏せ
 何かを堪えるように
 口元をぎゅっと結んでいる。



 私のお願い
 ワガママすぎて呆れちゃったかな?



 心配になって
 春輝くんからそっと視線を外した時

 荒々しい声が
 私の耳に突き刺さった。



「やだ!!」



 慌てて春輝くんに視線を戻す。


 怒りをため込んでいるような瞳で
 地面に転がる石を
 春輝くんは睨みつけていた。