「でも、
 みゅうみゅうの髪の毛をなでなですると、
 本当に楽になるの。

 心の中の悪魔が、
 すーっと消えてくれたみたいに。
 だから……利用してたのは事実だよ」



「そっかぁ」



「ごめんね、みゅうみゅう。
 嫌だったよね?」



 嫌じゃ……なかったよ……

 ただ、苦しかった。



 明梨んを思いながら私に微笑みかける
 春輝くんを見るのが、苦しすぎて。

 堪えきれない痛みで
 心が暴れだしちゃって。

 自分で制御できなくなっちゃった。



 だからもう、
 春輝くんとは会わないって決めたんだよ。




「そうだ。
 みゅうみゅうに
 渡したいものがあったんだ」



 春輝くんのお財布から出てきたもの。



 ん? 

 チケット?