「春輝も、俺が出てこなかったら、
 どうするつもりだったんだよ?

 ステージ立てねえくらい
 顔をぼっこぼこにされてたかも
 しんねえぞ」



 総長の言葉に
 やっと私から離れてくれた春輝くん。


 お茶目な幼稚園児みたいな笑顔を
 総長に向けている。



「大丈夫だよぉ。
 切り抜けなられないくらい
 ピンチになったら、
 僕の正体を明かせば、
 どうにかなるかなって思ってたから」



「は?」



「僕がアミュレットのメンバーだって言えば
 トドメキの人たちは、
 絶対に手出ししないでしょ?」



「まあな。
 明梨がガムシャラに追いかけてるもんを
 潰せる奴なんて、
 トドメキにはいねえからな」



「あ~あ。後でみやちゃんに謝らなきゃ。
 明梨んを脅しの材料に使ってごめんって」



「確かに。
 明梨のこととなると、
 余裕なくなるよな。雅は」



「愛くるしい王子様スマイルが、
 呪縛霊みたいに
 おぞましい顔になったりするんだよ。
 ファンが見たら、ドン引きだよね」