私の頭の中を整理しなきゃと
 オロオロテンパっていた時


「何、騒いでんだよ」


 倉庫のドアが開き、
 貫禄たっぷりの
 ワイルドイケメンが現れた。



「総長!」



 そ……総長?



 ちょ……ちょっと。

 倉庫の中から
 人を平気で傷つけそうなほど
 冷酷な瞳をした暴走族の総長が
 出てきちゃったんですけど……



 あの総長
 目尻が吊り上がっているよぉ。

 眉間のシワ、深すぎだよぉ。

 警察に駆け込みたいほど
 怖すぎだよぉ。



 泣き出しそうな私とは反対に。

 春輝くんは相変わらず、
 普段の天使の笑顔が塗り潰されたような
 悪魔顔で、
 慶介くんを睨んでいる。