「慶介くんにお願いがあるの」


「何?」


「しーちゃんのこと……
 もっと大事にして欲しいの」


「はぁ?」



 こ……怖い……


 私に好意的だった瞳が
 瞬時に吊り上がったから。



 睨み殺されそうなほど
 威圧的な視線が、
 私の眼に突き刺さっている。



 でも…… 
 ここで逃げ出すわけにはいかない。



「慶介くん。しーちゃんのこと
 殴ったりするでしょ?」


「だから?」


「しーちゃんが
 男の子と話しているだけで、
 怒鳴ったりするでしょ?」


「するけど。何?」


「何って……」


「殴られて当然だよな?
 俺との約束破るのは
 静香なんだから」