「みゅうみゅう、ここにおいで」


 え?


「僕の膝の上、
 みゅうみゅうに貸してあげる」


「か……貸してくれなくて……
 いい……」


「なんで?
 僕の膝の上……嫌いなの?」


「そういうわけじゃ……」


「じゃあ、僕がお願いする」


「え?」


「僕の膝に、頭乗せて」


「……」


「みゅうみゅうの頭をナデナデするの
 気持ちいいから」



「ダメ?」と首を傾げた春輝くんは
 おねだりする子供みたいに
 純粋な瞳を光らせていて。



 簡単に
 流されそうになる。



 春輝くんが優しくて。温かくて。
 甘えたいなって思ってしまう。



 でも、一度甘えたら
 その後は苦しいだけ。



 もっともっと
 春輝くんに甘えたいっていう
 欲求に支配され。

 そして、現実を目の当たりにして。

 また落ちる。



 私なんかが
 春輝くんに好きになってもらえるわけが
 ないから。