「それと…… 二人だけの時は 波多野って呼ぶなよ」 それって…… 誰もいない時は 『たっくん』って呼んでってこと? お願いされてるってこと? ムリだよ。ムリムリ。 リリちゃんがいてくれて。 ヒーローショーマジックに かかってないと。 そんな大胆なこと 私なんかができないんだから。 「約束、したからな」 私だけに聞こえるように 耳元でささやいたかと思うと 波多野くんは ニカっとはじける笑顔を見せ 自分の席に戻っていった。