ぼーっとしながら
 足だけ動かしていると
 いつの間にか学校についていた。



 『おはよう』と
 親しみが込められた挨拶が
 飛び交う教室に、足を踏み入れる。



 でも。

 私へ向けた挨拶なんて
 一つも飛んでこない。



 いつもそう。

 それが、日常で。
 この教室では、当たり前の光景。



 私は自分の席に着くと、得意の
『一人が大好きオーラ』を作り
 見えないシールドを張った。



 でも大丈夫。

 私にはしーちゃんがいる。

 お昼休みになったら
 一緒にお弁当を食べてくれる。