「たっくんも
美羽ちゃんが好きなの?
リリも美羽ちゃん、大好き」
「そ……そういう話じゃ……
ねえから……」
幼稚園児から
いきなり落とされた爆弾に、
波多野くんは
しどろもどろしているけれど。
フフフ。
なんか楽しい。
「リリね
もっと前の方で見たいよぉ」
「前から3列目。
真ん中空いてるじゃん。
リリ、ポーチ持ったか?
美羽も行くぞ」
「あ……うん」
今ちょっとだけ
ドキッとした。
男の子に「美羽」なんて呼ばれたの
初めてだから。
波多野くんを見たら
耳まで真っ赤になっていて。
引きずられるように
私の体温が上昇していく。
席を移動してしばらくすると
ヒーローショーが始まった。



