男はドサッと倒れた。

先月、村に来たばかりの唯一の若い警官が発砲したのだ。

弾丸は男の(ひたい)を貫いた。

警官は、篤と彼の母に走って近寄って、

「大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です。ありがとうございます。」

「警報器が私のスマホにも届くように設定していて良かったです。」

「はい。お巡りさんの言う通り、スマホに変えて子供に警報器を持たせて良かったです。」

と、篤の母は言って、篤と抱き合ってわんわん泣き出した。