******
不思議で怪しい手紙に返事を送ってから、4日が経った。
学校から帰ってきて、ポストを開ける。
ここ数日は、最早それが日課となっていた。
そして、中を覗く。
「うわ、届いてる……!」
前回届いたものと、ほとんど変わらない封筒が、再び目の前にあることを大袈裟に驚く。
私はそれを取り出して、自分の部屋へと急いだ。
玄関を入ると、いつもの常連さんに母が珈琲を出しているところだった。
「ただいま」
「澪ちゃん、おかえり」
いつもの常連さん 佐藤さんは、今日も優しく微笑んでくれる。
「佐藤さん、今日も来てくれてありがとう」
「あら。おかえり。最近、より帰りが早くなったわね」
母に言われ、言葉に詰まる。
「ちょ、ちょっとね。ちょっとやることがあって」
「やること? 楽器でも練習してるの?」
母が首を傾げて、尋ねる。
「う、ううん。ちょっとね……。自分の部屋でやることがあって」
「そう」
「うん。じゃあ、また後で手伝いに来るから!」
不思議そうにする母に、そう言い残し、自室へ向かおうとした。
そんな私に、母は大きめな声で「やることあるなら、無理しなくていいわよ」と気遣ってくれたが、今からすることは、大して気遣ってもらうようなことでもない。
私は「大丈夫」と返し、駆け足で部屋へ向かった。
そして、部屋のテーブルを前に、改めて落ち着いた私は、封筒を開ける。
私が送り返した内容は、手紙の相手に対しての質問だけだ。
果たして、ちゃんと答えてくれているのだろうか。
動悸に似た心臓の動きが、私の呼吸を乱す。
それを深呼吸で整えてから、便箋を一気に開いた。
「すごい……。ちゃんと、書いてくれてる……」
便箋には、1枚の紙を埋め尽くすように、文字が書き込まれていた。
今回の始まりの文章は「返事をくれて、ありがとうございます」だ。
そして、その次には、自己紹介のようなものが続いている。



