いつか、泣きたくなるほど大好きなキミが




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とうとう迎えたライブ当日。

白のTシャツ、カーキのロングスカートに白スニーカー、そして肩から下げたウエストポーチ。

悪目立ちしないように心掛けた服装で、駅前に到着した。

そもそもロック系のライブなんて、生まれてはじめてで、入り方の順序すら分からない。

友人に少し教えてもらおうとも思ったが、生憎チケットは1枚だけしかもらっていなかったため、どうしても言い出しにくかった。

どうしよう、ドキドキしてきた。

ステージに立つのは私ではないのだから、何も緊張することもない。

それでも緊張がほぐれない訳は、自分でもよく分かっていた。

──イチさんって、どんな人なんだろう。

同年代と分かった今も、そこまで悪い気はしていない。

むしろ同年代であるのに、落ち着いた雰囲気の文章で受け止めてくれた優しさに感動したくらいだ。

チケットに記載されている住所へと向かう。

そこは駅から歩いて、約20分のところ。

特に苦労することもなく、すんなりと着いた。

開場5分前。

人は集まっていて、列が出来ていた。

その列の最後の20代くらいの女性に、声を掛けてみる。



「最後尾って、ここですか?」

「チケットの整理番号順ですよ。何番ですか」



初心者丸出しの私にも、女性は優しく説明してくれた。

そして、間もなく開場し、スタッフの指示に従う。

ドリンクも交換し、無事、会場の中で開演を待つのみとなった。