続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~


 旬は、感情の起伏だとか、自分の欲望(主に食欲と性欲)には忠実で分かりやすいのに、どうして肝心なところは見せてくれないのだろうか。奈津美は、そこが一番知りたいのに……


「ていうか、それは奈津美が旬君に直接聞かないといけないことでしょ。旬君は旬君で理由があってのことだったんだろうし」


「うん……」


 今まで、きちんと正面から向き合おうとしなかったから、一番大事なところでこんなことになった。

 だから、これからは、ちゃんと向き合わないといけない。


「……なんかすごい気が重くなってきた」

 奈津美は大きくため息をついた。


「そんなこと言わない。奈津美達にとって重大なことでしょ」


「それは分かってるけど……」


 分かっているけれど、そう簡単に気持ちを切り替えることもできない。


 でも……話すなら早い方がいい。


 奈津美は小さく息をつき、密かに気合を入れた。