The road to future

「ちょっと!! そこ、あたしが座ろうとしてたんだけど…?!」


「――――――」



返事ナイし。 これってシカトッ?!だよね。
見ず知らずの人にシカトされるほど、見た目悪くないと思うけど…?


何も聞こえないのか、すました顔でいる、男子。

さすがに腹が立ち、あたしはそいつの真正面に立ち、さっきよりも大きい声で言った。


「そこッ!  どいてくれない?!」


「―――――あ。オレの事?」

やっと気付いた…。 でも、あたしが怒ってるのは、全く分かってないみたい…。

「で、何か用?」


「何か用?」 じゃなァァァァい!!


「だぁから、そこの席ッ! あたしが座ろうとしてたのッ!! どいて?!」
「ヤダ。」

速攻で返ってきた返事にムカいてたら…  更に…

「別にアンタ専用じゃないし、オレが座っても関係ねーじゃん。」


それだけいうと、その男子は、耳にイヤホンをつけ、音楽を聴いていた。



――――――結局あたしは席には座れず、その男子の前の吊かわにつかまり…
駅の最寄り駅に着くまで立っていた…。


電車から降り、学校へ行く途中、あたしは、

「あ~もう!! サイアクッ!!!」

と腹を立てながら、歩いた。


高校生活の初登校日は嫌な気分で、幕を開けた――――――。








――――――この時は思いもしなかっただろう。
電車の中で知り合った男子・赤澤 永生(あかざわ えいき)があたしの一生の思い出の1つを作るなんて…。