目を逸らすことを許さないような、まっすぐな瞳で見つめられる。その瞳は真剣そのもので、私はごくりと息を呑んだ。友達からって……そこまで仲のいい男友達ができたことがないから、それすらどんな感じなのか想像もつかない。





 返事に困ってしまって、唇をきゅっと窄めた。





「お願い。俺にとって最初で最後の恋だから、チャンスが欲しい」





 整った先輩の表情が、かすかに崩れたような気がした。しかも、訴えかけてくるような声。先輩の真剣さが伝わってきて、胸が苦しくなった。先輩のことを何も知らないまま断ろうとしている自分が、すごく悪い人に思えて、申しわけなくなる。





「……」





「どうしても無理だったら諦める。だから、友達から……ダメ?」