「喉渇いたしー。……そうだ、紗奈ちゃんも行かない?」
え?
「!? ぜ、ぜひ!!」
「ふふっ、じゃあ行こっか? 邪魔者はいったん退散しまーす」
え、あの! 引き止める間もなく、行ってしまった二人。出ていく寸前、朝日先輩がウィンクをしたように見えた。もしかして、気をつかわせてしまった? 広い屋上で、湊先輩と二人きり。少しの間、沈黙が流れる。
「ごめん……。あいつふざけてるけど、根はいいヤツだから……」
静寂を破った湊先輩の声は、申しわけなさそうで、でもどこか優しさが含まれているような声色をしていた。
「友達思いなんですね」
「友達……っていうか、兄弟みたいな感じ。うるさいけど、信用はしてる」

