ガーゼの交換が終わったのか、小森がそう言って、すぐに俺から離れる。それに寂しさを感じながら、「……ありがと」と、精一杯の礼を言った。
結局、どうして小森のことが頭から離れないのか、理由はわからなかった。それどころか、もっと小森のことを考える時間が増えた。
「なあ、朝日」
「んー? どした?」
放課後の帰り道。
「小森莉子って知ってる?」
一緒に帰っていた朝日に聞いてみた。
「……は?」
長い沈黙のあと、返って来た声。不思議に思い朝日の顔を見ると、目をこれでもかと見開き、俺を凝視していた。
「……なんだよ、なんかヤバいヤツなのか?」

