「ん?」
振り向きざま湊先輩の腕を引いて、顔を近づけた。湊先輩が、練習頑張れますように! そんな願いを込めて、ちゅっ……と頬にキスを落とす。
「……っ!?」
みるみるうちに赤く染まる湊先輩に、頬が緩んでしまう。
「頑張ってくださいっ」
応援してますっ!とつけ足して、送り出すように手を振る。けれどなぜか、湊先輩は出ていく気配がない。
「……無理、今ので離れられなくなった」
「え、ええっ!」
子供みたいにぎゅっとしがみついてくる湊先輩は、本気で行く気を失ったらしい。困ったな……。でも、かわいい。どうやってやる気を取り戻してもらおうかと考えながらも、ひとまず抱きしめ返すことにした。

